似合わない洋服は捨てました

気まぐれに気の向くままに

ケンカ

昨日仕事が終わって帰る途中
男女のケンカに出くわした。
それはもうすごい勢いで
女の人が男の人に罵声をあびせてた
何人かまわりにいるのに
間に入って止めるふうでも
取り繕う様子もなかった
見て見ぬふりをして通り過ぎるも
酔っているらしいその嗚咽まじりの声は
昔の記憶を蘇らせる
小さい時よく両親がケンカした
こんなふうに派手な罵声をお互いにぶつけながら
しまいには父親が母親に暴力をふるう
ふるわれた母親は助けてと子供部屋
とくにわたしの枕元にやってくる
怖くて怖くて目が開けられなかった。
トラウマになっていて
今でもそういう声を聞くと震えが止まらない。
何十年も昔のことなのに
苦しめられる。
助けてきよみ。助けて。
起きてえな。聞こえてんねんやろ。
助けて。助けて。
ケンカするくらいなら別れればいい
いつもそう思っていた。
で、そのケンカしていた男女
バシバシとほっぺたを叩くような音がしたから
振りかえって見ると
女の人が男を叩いてて
男が「オレは浮気してねってば」と
泣いてた。
男が優しくなりすぎたのか
女が強くなりすぎたのか
少しだけ震えが止まった。