昨日観に行ってきました。
Filmarksにも書いています。
+++以下 ネタバレあり+++
原作未読です。
久しぶりに邦画を観た。と思いました。
(遠い記憶にある小津安二郎のような)
大きな何かがあるとしたら
お母様からのビンタシーンでしょうか。
いわゆる上層階級の家庭に生まれて
躾も行き届き苦労することなく育ったお嬢様(化粧室と言いながら入った居酒屋の汚れたトイレから逃げ出すほどにはお嬢様)
普通に結婚を期待され
数人と会ってみるものの何か違う。
義理のお兄さんの紹介で出会ったその夜は雨で 遂にときめく人に会ってしまった。
幸一郎さんのご実家は華子のお家以上に裕福な代々受け継がれた良家で
ただ幸一郎は家庭持ちと言う評価しか必要なかったのかな。「そんなに睫毛長かったっけ」と言う台詞で2人の結婚生活と距離関係が分かる。(これって凄いですよね。原作の台詞そのままなのかな)
麦さんも高良さんも品良くて
世の中にはこんな家庭があるんだろうなと羨ましくも思いましたが
自分の人生を生きていない
いつも俯き加減の雰囲気と対照的な
子供の自転車押して笑い合ってる華子ちゃんの笑顔が生き生きとしていて素敵でした。
これで良かったんだね。と思えるような。
ただラスト幸一郎さんと見つめ合う優しい2人の表情が素敵で 時間が再び動き出したら良いのにと思ったのだけど
(お母様がネックか)
東京に詐取され続けた地方出身女子達の2ケツシーンが1番好きです。
あ、最後の方東京駅を見下ろす場所での仕事の打ち合わせっぽいシーンも美しかった。
淡々と流れる時間は
まるで小説を読んでいるようでした。
観て良かったです。
+++ 追加 +++
地方都市から東京の大学に進学しつつも
親の都合で仕送りが止まるという
現実に大いにあるようなそんな地方出身主人公の生きる力が魅力的な映画でもありました。
彼女達の台詞の中にあった「東京に詐取された」という言葉の面白さ
原作が読みたくなりました。
それから
主人公の華子さんちで鰻をいただいている時に
さりげなく割り箸を箸袋に戻して先を折っていたり
座敷に呼ばれた時に手を付いてずずず、ずずずとお座布団まで移動するのを見て
勉強になるなぁと思ったり。