僕のメールボックスにりつこさんからメールが届いたのは、9月も終わろうかという涼しい朝でした。
りつこ:昨日私のアドレス宛てにメールが届いていて、宛先がこのアドレスになっていました。
僕はこのメールボックスから誰かにメールを送った記憶がなく、間違えて届いたのかなと思っていました。
りつこ:すみません、また返事をもらうコトはできますか?
ちなみに「また」ではなく、「まだ」なんだけど、キーを打つ手がたどたどしいりつこさん、僕は知らない人へはお返事送る事できないんです。
りつこ:それとも私のほうな女は嫌いですか?
「私のほうな」ではなく、「私のような」なんだけど、嫌いですか?って聞かれても。どんな人だか知らないし。
りつこ:夫がいないうちに連絡して
えええ!人妻ですか!何歳ですか!夫は留守なんですか?単身赴任ですか?と勝手に妄想がふくらんでいき。
りつこ:おかしいですか?私はいたって真剣なんですよ
真剣だって言われても、僕はりつこさんのこと知らないんです。でも、おかしいですか?って積極的な問いかけにずるずると心惹かれていく僕。
りつこ:携帯でずっと待っているのに…
ええ!携帯の中に住んでるんですか?ではなく、携帯を握りしめて僕からの返事を待ってくれているんだ。り、りつこさん...。
りつこ:私負けちゃったのかな、ちょっとエッチな写真とかも載せてみたのに...。
そ、そんなみだらな写真とか載せちゃったのかな?負けてません!僕に一歩踏み出す勇気がないだけなんです。
りつこ:ずっとずっと待っているのに、早くしてほしい
ずっとx2ってかわいいりつこさん!待っててください!僕は決心します。勇気を出して
りつこ:りつこです、貴方のために撮ったものがあります、そしていつでも
いつでも、なに?いつでもの後が知りたい僕。僕の為に撮ってくれた写真ってぇ
りつこ:りつこです、携帯がだめなら秘密の日記と掲示板で私の写真とか見て
あ、うそ。webにアップしてあるんですか?日記には僕への気持が綴られているのですか?
りつこ:いつまでこうして待てばいいですか
ちょっと待っててください!この仕事が終わったら僕はあなたへメールしてそれから...
りつこ:時間がないんです、助けてほしい、貴方に
僕にできることならなんだってするよ。僕を必要としてくれるのなら!
そうして、僕はりつこさんの虜になってしまっていたのだった。。
りつこさん、みだらな写真のりつこさん!僕は僕はあなたからのメールを楽しみにしてたのに
りつこ:昨日私のアドレス宛てにメールが届いていて、宛先がこのアドレスになっていました。
昨日、最初の件名のが届いたから終わってしまったのだね。
僕の恋は儚くも消えて、悲しい秋が始まるのです。
いえね、最近増えてるジャンクメールの中でもヒットだったので、僕はりつこさんが気になってしょうがないんです。苦笑。