映画を見る前に予習として、織田作之助著書の「五代友厚」を読みました。
まったく理解できない書簡もあったけれど、大体の流れは掴めたと思っていたのです
映画を何回か(いや、4回)見て調べて見ると映画の中の時系列がぐちゃぐちゃなのがわかります。
そう、これは史実を元にしたフィクションだから。
要するに、わたしたち観客は「五代友厚プロジェクト」から託されたのではないかと思います。
この映画を見て、個々が歴史を再検証してみなさいと。
そして、その時に知る多くの今の日本の基礎を気付いた先人達に目を向けなさいと
彼らは何を守り何を造りどういう未来を描こうとしていたのか。
歴史に疎くても親しみのある「坂本龍馬」「伊藤博文」「岩崎弥太郎」「大久保利通」「西郷隆盛」「グラバー」等の人物を登場させ、その光を当て続けられた先人に対して埋もれてしまっていた「五代友厚」の功績を調べなさいと。
映画の中にある「生麦事件」「薩英戦争」「大政奉還」その他近代史を再勉強しなさいと。
そんな風に思えてならないのです。
だから、「天外者」という映画の中の五代友厚にはこの国の未来を案じ続けた強い意志や志をクローズアップさせ功績に関しては触れる程度に納めたのではないかと。
あえて架空の「遊女、はる」を登場させ、「夢見たっていいじゃないか」という台詞を与え
彼女との出会いが五代友厚の「わたしは夢のある未来が欲しいだけだ」という強い信念を植えつけたストーリーにしたのではないか。
そもそも史実に残る五代友厚はそのきっかけなくとも、日本の行く末を案じていたし
はるを愛するというよりも実婚があるし(その後離婚はしているけれど)
再婚相手の豊子とめぐりあったのも豊子の実兄の紹介であると史実には残っていて
勝手な考察だけど、わたしたちは託されたのだろう。
あの頃日本の未来を希望ある国にしたいと誰もが夢見る事のできる国にしようと
奮闘した先人達の事を調べなさいと
そんな事を思うのです。