似合わない洋服は捨てました

気まぐれに気の向くままに

わたしを離さないで(ドラマ)(ネタバレ)

 

わたしを離さないで DVD-BOX

わたしを離さないで DVD-BOX

  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: DVD
 

 今アマプラで全話見れます。原作は長崎出身のカズオ・イシグロさん

ノーベル文学賞を受賞された方です。

 

公式ページ>>https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/

 

 

絶望しかないドラマです。

子供時代、孤児院のような環境で育つ主人公達

そこは高い塀に囲まれ、外と呼ばれる世界に行くと切り刻まれると教え込まれて育ちます。

 

「提供」という言葉に違和感を覚えつつ進むのだけど

彼らは生殖機能を持たないクローンだとわかります。

(分かるのは視聴者目線。彼らはいたって普通の人間として成長します。少しの不自由は感じながらも)

 

彼らは、いずれ誰かへの臓器提供で命が終わります。

そんな中でも希望を求め、捨てずに努力もするのだけど

やがて、それもまぼろしだったと知ります。

 

自害する主人公の友人が叫ぶ台詞がこたえた。

こんな身体に生まれてくるのなら心を持たないように作ってくれと

 

とある国で行われているウイグル人香港の民主化運動の弾圧

まさにそれと被ってしまって彼らの絶望感をこのドラマで改めて少しだけわかった気がします。

 

 

そこに自由はなく、与えられたわずかなモノでの生活

仕事も提供者を介護する介護人でしかなく

その介護人は彼らが臓器移植で利用された後までみなくてはいけない

そう、次は自分がそうなる事を知らされる為に。

 

3回が限界だと言われている提供

主人公の恭子がともの腕に注射を打つ場面は最初に出てきます。

その意味も後半知る事になる。

 

 

ともの遺品のサッカーボールを川に投げて

自由になれと祈るように見送る恭子

 

ひとりぼっちになってしまった恭子が覚悟を決めて海へ向かって歩き出すと

そのボールが足にまとわりつくのです。

まるでともが来ちゃダメだ。って言うように

 

最後の最後まで絶望しかないドラマでした。

 

 

三浦春馬くんの作品を追いかけてて それがきっかけで見たドラマでした。

当時視聴率が振るわなかったらしいのは、疲れている人には重過ぎるテーマだと思ったし

希望のかけらもないからしかたなかったのかなと思いました。

ただ、演じる役者さん子役さんも含めてものすごい。

ぐいぐい引き込まれて一気に見てしまいました。

 

この作品の彼を見ていると、どれだけの才能があったのだろうと

彼の演じる「とも」は、無邪気で純粋でそれゆえに、大好きな恭子ちゃんを傷つけてしまう事もあるのだけどそのまんまなんです。目が輝いていたり意気消沈してしまったり。とにかくもの凄い。

 

公式ページから三浦春馬さんのコメントを

 

原作を読み終えたとき、‘生きる事は常に欲求だ’と伝えられた気がしました。
そしてその欲求は、残酷で生々しく、とても美しいことだと僕は感じました。
そんな世界観を共演者、スタッフの皆さんと支え合いながら作っていきたいです。
この作品を通じ、自分自身、些細な事にも疑問を持ち、悦びを見つけ、今一度生きる事について学びたいと思います。

 

 

見て良かった。