似合わない洋服は捨てました

気まぐれに気の向くままに

乙女じゃあるまいし

そう。乙女じゃあるまいし。って言われた

 

きっかけは忘れたけど、知り合った人がいて

もう16年も前のお話。

 

その頃、尊敬していて大好きだった人からの連絡が途絶えて

絶望の中 仕事しか楽しみがなくて

ひとりご飯もいけないような、やわな性格だった。

 

もちろん一人旅も出来ると思っていなかったし

せいぜい車をとばして海を見に行くくらい

 

おいしいご飯に誘ってくれたり、元気?って気遣ってくれたりしていた人だった

 

 

長崎のハウステンボスに行きたかった。

 

ただ、それだけ。

 

連れてってあげるよ。と言われた。

 

意気投合して連れてってもらうことにした

 

でも、その意気投合とはかけ離れた気まずい車内。

なんだ、この空気は。流れてくる音楽も、においも限界を遥かに超えていた

車内が苦痛だった。

SAがあると、休憩したいと車を止めてもらった

 

感覚全部ずれてるし、帰りたい。

ずっとそんな事を思っていたから

サービスエリアで、ここの風景は良いでしょ!と言われても苦笑いしか出来なかった。

 

わたしが見ていたのは飛行機雲

相手は海を見ていると思っていた

 

 

夜景が綺麗だからと、稲佐山展望台へ連れて行かれた

綺麗だったのかどうだったのか、景色のことはひとつも覚えていなくて

覚えているのは(近づかないで。隣に座らないで。話しかけないで)と

ずっと思っていたことだ。

だから、顔を思い出せない。

 

 

 

前泊で、との約束

でも、シングル2部屋で予約するから。ということだった

 

なんてことはないホテルに着くと「言い訳」されてツインしかなかったと

 

 

フロントからエレベーターに乗って部屋へ入るも

こんなはずじゃなかった。帰りたい。そんな事ばかり思ってた

 

iPodの音楽をずっと聴いていたら、我慢できなくなった。

帰る。と、言ってドアを開けようとしたら静止され押し問答。

 

乙女じゃあるまいし。

 

そんな事をいわれる筋合はない。

 

大人でも、誰とでも言い訳がない。

 

 

帰る。

タクシー呼んでもらって駅で一晩過ごせば電車走ってるし

振り切って部屋を出た

そんな思い出

 

 

 

悪かったなと思い出すのか

馬鹿だった自分を振り返り思い出すのか

自分の感情はわからないけれど

 

乙女じゃあるまいし。という言葉とリンクして

思い出す稲佐山

 

 

におい。がダメになったらダメなんだよ。

無理なにおい。ってあるんだよ。

 

たぶん、神様が与えてくれた相性というものを嗅ぎ分けている

 

 

恋していないけど、人恋しいなと考えている乙女の方へ

簡単に車に乗ってはいけませぬ。

好きでもない人に好きになってもらっても仕方ない

好きになった人に好きになってもらわなくちゃ意味がない

 

人のぬくもりで埋まると思っていた心の空白は

そのぬくもりでは埋まることもなく

ただ、真っ黒に染まるだけ

 

安易な行動は、自分を下げる

 

そう思います。

 

 

きっともう、誰かを好きになったりはしないだろうけど

それでも、思い出す人がいて

その人たちを大好きだった頃の自分は思い出の中で輝いているから

 

 

恋せよ。

 

乙女。